それでは、CellPlexを用いた、sample間のbarcode付けを行い、cDNAを作成するところまでで注意点がありますので紹介します。
- 作業に時間がかかる
- tubeの種類の検討をしておく必要がある
- cDNA amplification primerを間違えない(Step2.2)
- SPRIselectで間違えて上澄み液を捨てない(Step2.3)
CellPlexをもちいて細胞調整するのには時間がかかる
CellPlexはサンプルを増やせるのがメリットとなりますが、その分細胞調整に時間がかかります。
私の場合は凍結細胞を用いて行いました。下記の通りに行いました。
Thawing → TryPLE selectで再度dissociate → CellPlexでtagづけ →FACS
TryPLE selectの工程はなくても良いかと思いますが、全体でおよそ2時間半〜3時間程度かかりました。細胞にダメージが蓄積していないか心配です。。
tubeの種類の検討をしておく必要がある
10X genomicsのprotocolでは、細胞調整にlow-bind 2.0 mL tubeとあったので、それを使用しました。
すると、low-bindのためなのか、遠心後、吸引した時にかなり数の細胞が持っていかれました。事前の予行演習では通常の培養用の2.0 mL tubeを用いたら特にいつも通りで問題なかったのですが。。
いきなりtubeの種類を変えてはいけませんね、反省。。
注意として遠心後に顕微鏡下でpelletが見えないと上澄み液が見えないので、あらかじめ採取した細胞に適したtubeを特定しておく必要があります。
上澄み液を可能な限り除去することがクオリティに関わるそうです。
cDNA amplification primerを間違えない(Step2.2)
CellPlexによるBarcode塩基配列もamplifyする必要があるので、Step2.2のcDNA amplificationにおいてprimerを間違えないように注意しましょう。
SPRIselectで間違えて上澄み液を捨てない(Step2.3)
SPRIselectの濃度によってDNAの長さセレクションを行います。
- mRNA由来→長い
- barcode由来→短い
となっており、SPRIselectで精製する際に、上澄み液、beadsの両方を使用していきますので、どちらかを破棄しない様にしましょう。
まとめ
はじめて10X with CellPlex barcodeを行いました。
サンプルが貴重だと予備実験もなかなか大変ですが、可能な限り施行し、適切な物品を使用しましょう。
今回の記事が皆さんの役に立つことを願って。